障害者雇用というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

障害を持った方を雇わなければいけないということは分かっていても、実際には「どのような仕事ができるのか」「会社の利益につながるか」などの疑問から、なかなか踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。
しかし、現実には事務・製造・販売からシステムエンジニアなどの専門職まで、障害を持った方は幅広く活躍しています。

また、一定数以上の従業員が働く企業には、法令においても障害者の雇用が義務付けられており、2021年3月には雇用率の引き上げを施行しています。
コンプライアンスの観点から見ても、障害者雇用は企業の社会的責務と考えなければなりません。

この記事では、企業の採用担当者の方が障害者と面接を行う際に留意すべきポイントを詳しく解説していきます。

採用面接者の心構え

担当者の方は採用面接にあたり、応募してきた障害者一人ひとりに「何ができて」「何に制限があるのか」、また「どのような支援が必要か」という点を正確に把握する必要があります。

そのためには、厚生労働省の「障害者雇用対策基本方針」に明記されている「障害の種類別の配慮事項」を考慮し、以下の5つのポイントを押さえつつ、採用面接に臨むことが大切です。

参考:「障害者雇用対策基本方針」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000204945.pdf

面接の目的を明確にする

面接担当者と応募者双方で面接の目的をはっきり確認してから面接を行います。
つまり、入社前及び入社後の受け入れ準備やどのような支援が必要か、その情報を交換しておくことが重要です。

健常者と同じ基準で採用試験を行う

前述の面談のみで採用・不採用を決定してはいけません。

執拗な質問を避ける

質問に対し、障害を持っている応募者がためらっているようなときは、話題を変えるなど必要以上の質問は避けましょう。

差別的な質問をしない

人種・国籍・信条・宗教・障害など、社会的身分や家柄などに関わる質問はしないようにすべきです。

個人情報の守秘

面接時における応募者の個人情報については、守秘義務を遵守しなければなりません。

採用面接での確認事項

障害を持った方を採用すると、直ちに「入社前に準備すること」「入社当日にやっておくこと」「配置の受け入り準備」などについて決めておく必要があります。

たとえば、入社式・教育・訓練・配置先の職場環境の整備などです。
そのためには、障害者の方が働くうえでの制限事項・支援すべき事項・その他配慮すべき事項を判断するための資料として、障害者各人の「障害状況の確認」「職務関連機能」「生活関連機能」などについて、採用面接時に本人から詳しい情報をヒアリングしまとめておきましょう。

具体的には、次のような内容です。

■障害状況の確認(障害の部位・等級・障害の発症原因・服薬・通院の必要性など)
■職務関連機能(住居・通勤方法・異動・コミュニケーション手段・筆記速度・読解速度・計算能力・電話使用の可否・工具や機械操作の可否など)
■生活関連機能(車いすの種類・杖の種類・歩行バランス・階段の昇降・荷物の運搬・
■立ち作業・食事・入浴・トイレ・会話の明瞭度・その他必要な介助など)

採用面接で配慮する事項

それでは、採用面接の際のコミュニケーションやその援助者、会場づくり、筆記試験などの配慮事項について、以下の2つの事例を挙げて説明します。

視覚障害者の面接の場合

言葉によるコミュニケーションには問題ありませんが、初めて訪問する際は介助者をつけるなどの配慮が必要です。
たとえば、エレベーターや面接会場までの案内、面接室ではいすや机の位置、面接官の配置などを説明する必要があります。

面接では「目が見えない」ということを過大に捉えることなく、能力を正しく評価し何ができて、何ができないのか、どのような支援があればいいかなどを具体的に聞き職場環境の整備につなげることが大切です。
また、筆記試験をする場合は、試験用紙を拡大コピーするだけでいい人、拡大読書機を利用する人、点訳の試験問題が必要な人など、障害の度合いに即した対応が必要になります。

聴覚障害者の面接の場合

採用面接で聴覚障害者の方に最も適したコミュニケーションの方法(口話・筆談・手話通訳など)を決めておくことが大切です。
口話で会話するときは、口の動きが相手によく見えるように顔を正面に向け、ゆっくりと口を大きく開けて話しましょう。

しかし、口話だけでは面接官の言葉が伝わらないこともあれば、応募者の発音がよく分からないときもあります。
そのようなときは、筆談を交えてコミュニケーションをとるようにします。
そのためには、面接室に筆談用の用紙や筆記用具を必ず準備しておきましょう。

そして筆談の際は、簡潔な文章で複雑な言い回しを避けることを心がけてください。
また、面接官の言葉を応募者に伝える筆記係を同席させるとよいでしょう。
手話言語でコミュニケーションをとる人には、手話通訳を同席させて面接を行います。

聴覚障害の方にとって、手話はなじみのある言語なので、リラックスして表現できる有効な手段です。
手話通訳は面接官と並ぶ位置に配置し、手の動きが応募者によく見えるようにします。

まとめ

障害者雇用に際し、担当面接官の方にあってはさまざまな場面で苦慮されていると推察されますが、もし「障害者の方を雇用してもミスマッチが続いている」「これからも積極的に障害者の方の採用を増やしたい」とお考えの採用担当者の方は、ぜひ一度イーチリッチにお問い合わせください。
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